ガジュツの歴史

江戸時代より使用されてきたガジュツ

ガジュツ
ガジュツ

莪蒁(ガジュツ)は、芳香・辛味・苦味・清涼感が特徴の熱帯アジアを原産とするショウガ科植物の根茎です。
中国明時代の生薬研究の書「本草綱目」(1590年)にも収載され、古来より珍重されてきました。

わが国への渡来の歴史ははっきりしませんが、関ヶ原の戦いで猛将としてその名を馳せた薩摩藩主島津義弘公が、1603年(慶長8年)種子島家の十六代当主種子島久時公にガジュツの薬方を伝授したとの記録1)があり、江戸時代から鹿児島県屋久島・種子島地方で民間薬(注) 2)として伝承されました。そして、明治に至るまで種子島・屋久島の重要な産物(御禁制品)として扱われていました。

(注)民間薬:医療の専門家ではない庶民の間に伝承されてきた薬のことで、概して一種類の生薬からなり、用法・用量の詳細が決まっていない。

引用文献 1) 種子島家譜:鹿児島県資料旧記雑録拾遺 1603.
2) 種子島家伝:秘薬方 (伝・江戸末期)