屋久島の植物について

屋久島の植物について

屋久島の稀少海浜植物

今回は、秋篠宮佳子様のお印として話題の"ゆうな"などが植生する栗生海岸の稀少植物をご紹介します。屋久島の栗生集落を中心とする南西海岸は、屋久島でもとくに稀少な海浜植物が見られる所です。
なかでも、オオハマボウとメヒルギは互いに隣接した所で、各々わずか数十本の1群落を残すのみです。 クサトベラは亜熱帯、熱帯地方では大群落を形成する植物ですが、屋久島ではこの地域を中心に、数カ所で見られるだけです。 紹介する3種は、屋久島・種子島地域を北限とするデリケートな種だけに、絶滅が心配されます。

オオハマボウ

■オオハマボウ(あおい科)
海岸の泥地に生える落葉低木、径約5cm~8cmほどのまばゆいばかりの黄色い花を真夏の太陽に咲かせる。
ハイビスカスやフヨウ(芙蓉)と同じ仲間。葉は長さ10cm前後で厚く、葉裏は細毛に覆われていて白い。
*秋篠宮佳子様のお印(ゆうな:沖縄名)

メヒルギ

■メヒルギ(ひるぎ科)
河口の干潟帯の泥地に、魚類の重要な産卵場所であるマングローブ林を形成する常緑小高木。果実は長さ10cm前後の長紡錘型で、枝に付いたままで発芽、落下して泥に刺さりそのまま成長する胎生種子です。
8月頃白い花をつける。

クサトベラ

■クサトベラ(くさとべら科)
ハマゴウやグンバイヒルガオなどとともに典型的な亜熱帯海岸植物群落を構成します。葉は肉質で光沢のある鮮やかな緑です。小笠原諸島では、カイガンタバコと称しタバコの代用としたそうです。
花期は7月。